Action
脱炭素社会に対する取り組み
省エネの徹底
省エネとは、「省エネルギー」の略です。石油や石炭、天然ガスなど、限りあるエネルギー資源がなくなってしまうことを防ぐため、エネルギーを効率よく使うことを言います。エネルギーの効率的な利用は、環境への負荷を軽減し、コスト削減にもつながります。省エネの必要性、実践的な方法、そして私たちが日常生活を中心に、ビジネスにおいても採用できる具体的な方法について詳しくご紹介します。
なぜ省エネが必要?
省エネルギーは、エネルギー供給の安定性と地球温暖化の防止の両面に意義を持っています。エネルギー供給の安定性は、日本がほとんどのエネルギー資源を輸入に頼っているため、最も重要な課題の一つです。地球温暖化の防止に関しては、エネルギー源から排出される二酸化炭素の削減が重要であり、省エネルギーの必要性はますます高まっています。
これらの課題を考慮した上で、市場機能を活用して経済的な効率性を追求することが求められています。これらの課題は、それぞれの頭文字を取って「3E」と呼ばれています。それは、「地球環境保全 (Environmental Protection)」、「エネルギー供給の安定性 (Energy Security)」、「経済的な効率性 (Economic Efficiency)」を表しています。
日常生活から取り組める省エネ
気候変動による異常気象は、全国各地にさまざまな災害をもたらしていますね。私たちも、酷暑や台風、雪害などを経験し、他人事ではなくなっています。熊取町が目標とするCO2削減量は、太陽光などの再生可能エネルギーの導入だけでは達成が難しい状況です。熊取町に関わる全ての皆さんが、日常生活で無理なく取り組めるCO2削減行動を行って、削減目標の達成に貢献していく必要があります。そこで、何をするとどれだけCO2削減に貢献できるかを見える化してみました。みんなで実践して、成果を大きくしていきましょう。
-
シャワー時間の短縮などで水の使用量を約2割削減しよう
年間約10kg-CO2/世帯削減
全住民が協力すれば、削減目標の0.28%に相当する削減量になります。いつもより少し蛇口を締めるだけでも、節水効果があがります。
-
冷房の設定温度を1℃高く、暖房の設定温度を1℃低くしよう
年間約20kg-CO2/人削減
全住民が協力すれば、エネルギー効率の向上によりCO2削減が期待できます。ストレスなく達成可能な範囲で、温度設定を再評価してみませんか?
-
通勤・通学の移動を自動車から自転車・バスに置き換える
年間約240kg-CO2/人削減
全住民が協力すれば、削減目標の17.48%に相当する削減量になります。なるべくバスなどの公共交通手段を利用し、マイカーでの移動を減らしましょう。
-
アクセルを優しく踏むなどのエコドライブを心掛けよう
年間約150kg-CO2/人削減
全住民が協力すれば、削減目標の10.92%に匹敵相当する削減量になります。安心で安全な運転は、事故の予防にもつながっていきます。
-
使い捨てのペットボトルをマイボトルに替えてみよう
年間約4kg-CO2/人削減
全住民が協力すれば、削減目標の0.29%に等しい削減量を達成できます。使い捨てのスプーン、フォーク、ストローなども減少させていく方が良いでしょう。
-
食べ残しを減らして家庭と外食の食品ロスをゼロにしよう
年間約50kg-CO2/人削減
全住民が協力すれば、削減目標の3.64%に相当する削減量になります。次回からの食事では、食べ残しや余分な調理を減らすように意識してみましょう。
家庭で実践できる省エネ方法
私たちの日常生活には、電気、ガス、水道などのエネルギー利用が密接に関わっています。環境省の調査によれば、令和2年度において、1世帯当たりの年間CO₂(二酸化炭素)排出量の65.3%が電気使用に起因しており、その割合は圧倒的に高いことが示されています。このため、地球温暖化に寄与するCO₂排出を減少させると同時に、家計を節約するために、家庭内での電力消費の効率化が非常に重要です。
「エネルギー消費の削減」は、我慢が必要だったり、難しい課題のように感じられることもありますが、日々の生活において小さな変化を取り入れるだけで、省エネの生活は実現可能です。環境に優しい生活を実践するために、家庭でできる具体的な取り組みについて確認してみましょう
-
リビングでできる省エネ
家庭内の各機器ごとの電力消費量は、照明器具、冷蔵庫、エアコン、テレビの順に多く、これらの電化製品が家庭で使用される電力の60.2%を占めています。使用方法を見直すことで大きな節電効果が期待できます。
- エアコン(冷房時)の室温設定は28℃を目安にする:14.8kg/年のCO₂を削減、30.2kWh/年の省エネ ※1
- エアコン(暖房時)の室温設定は20℃を目安にする26.0kg/年のCO₂を削減、53.1kWh/年の省エネ ※2
- テレビをつけている時間を1日1時間減らす:8.2kg/年のCO₂を削減、16.8kWh/年の省エネ ※3
- テレビ画面は明るすぎないよう設定する:13.3kg/年のCO₂を削減、27.1kWh/年の省エネ ※4
- 白熱電球をLED電球に交換する:45.0kg/年のCO₂を削減、92.0kWh/年の省エネ ※5
※1 外気温31℃の時、2.2kWのエアコンの冷房設定温度を27℃から28℃へ変更した場合(稼働時間9時間/日)
※2 外気温6℃の時、2.2kWのエアコンの暖房設定温度を21℃から20℃にした場合
※3 液晶テレビ32V型の場合
※4 液晶テレビ32V型の画面輝度を最大から中間にした場合
※5 54Wの白熱電球から、8WのLED電球に交換した場合(使用時間:2,000時間/年)
-
キッチンでできる省エネ
家庭における電力消費量の中でも、最もエネルギーを消費する電化製品は冷蔵庫です。そのため、キッチンにおける省エネの鍵は冷蔵庫の適切な使用方法を考え直すことです。
- 冷蔵庫に物を詰め込まない:21.4kg/年のCO₂を削減、43.8kWh/年の省エネ ※6
- 冷蔵庫は壁から適切な間隔で設置する:22.1kg/年のCO₂を削減、45.1kWh/年の省エネ ※7
- 季節にあわせて適切な温度設定にする:30.2kg/年のCO₂を削減、61.7kWh/年の省エネ ※8
- 冷蔵庫は無駄な開閉を避ける:5.1kg/年のCO₂を削減、10.4kWh/年の省エネ ※9
※6 冷蔵庫に物を詰め込んだ場合と、半分にした場合との比較
※7 冷蔵庫の上部と両側が壁に接している場合と、片側のみが壁に接している場合との比較
※8 周囲温度22℃で、冷蔵庫の設定温度を「強」から「中」にした場合
※9 冷蔵庫の扉を旧JIS開閉試験で定める回数の開閉を行った場合と、その2倍の回数を行った場合との比較
-
お風呂・洗濯・トイレでできる省エネ
家族全員が毎日使用するお風呂、洗濯機、トイレなど、これらの設備を利用する際には、多くの水が必要となります。少しの工夫、水の節約に注意を払うことでエネルギーの消費を削減できます。
- お風呂は間隔をあけずに続けて入る:82.9kg/年のCO₂を削減、38.2㎥/年(ガス)の省エネ ※10
- こまめにシャワーを止める:30.7kg/年のCO₂を削減、12.8㎥/年(ガス)4.4㎥/年(水道)の省エネ ※11
- 洗濯物はまとめて洗う:14.1kg/年のCO₂を削減、5.9kWh/年(電気)16.8㎥(水道)の省エネ ※12
- 衣類乾燥機は自然乾燥と併用する:193.0kg/年のCO₂を削減、394.6kWh/年の省エネ ※13
- 電気便座を使わないときは蓋を閉めておく:17.1kg/年のCO₂を削減、34.9kWh/年の省エネ ※14
※1 外気温31℃の時、2.2kWのエアコンの冷房設定温度を27℃から28℃へ変更した場合(稼働時間9時間/日)
※2 外気温6℃の時、2.2kWのエアコンの暖房設定温度を21℃から20℃にした場合
※3 液晶テレビ32V型の場合
※4 液晶テレビ32V型の画面輝度を最大から中間にした場合
※5 54Wの白熱電球から、8WのLED電球に交換した場合(使用時間:2,000時間/年)
次の世代に明るい未来を
省エネの徹底は、誰もが簡単で効果的な方法を活用できる素晴らしい機会を提供しています。例えば、LED照明を採用したり、断熱性を向上させたりするなど、日常生活からビジネス運営までさまざまな側面で実践可能です。これらの取り組みが積み重なることで、持続可能な未来を築く一環となります。
将来に向けて、省エネの重要性は一層高まるでしょう。私たちは賢明なエネルギー利用を通じて、持続可能な未来への貢献を続けるべきです。省エネは生活の質を向上させ、同時に地球環境を保護し、経済的な利益も享受できる方法です。ですから、省エネの取り組みを今すぐ始めて、次世代に素晴らしい遺産を残しましょう。